真剣勝負の方がいい?

雑感

明日は一般質問。広島県の安芸高田市は、一般質問の通告を十分検討し、回答を準備しているようだが、議員との関係で言えば、質問内容の打ち合わせは一切しないでガチンコのやり取りをしている。ぼくは、この方法に憧れている。国会は実際にそうなっている。官僚が想定問答集を作るのは、議員との間でガチンコ勝負をしているからだ。
安倍晋三さんの有名な「私や妻が関係していたということになれば、それはもう間違いなく総理大臣も国会議員もやめる」という衆議院予算委員会の答弁は、真剣勝負ゆえに出てきたものだった。ここから文書の改ざんが始まり、1人の官僚が自死に追い込まれたと言われている。この問題は許しがたい事件だったが、抜き差しならない真剣勝負をしている中で、追い込まれた発言であったことは間違いない。国民や住民は、こういう真剣なやり取りを求めていると思われる。
地方議会の本会議は、委員会主義との関係でセレモニー化しているところが多い。委員会主義とは、ほとんどの議案を委員会で審査する方法だ。これに対し、かつらぎ町などの多くの町村議会は本会議で議案の審査をおこなっている。そうなると本会議場が主戦場であり、委員会は所管事務調査と請願等の審査という形になる。委員会よりも生々しいやり取りが、本会議場にあるのは、市議会のほとんどが委員会主義、町村議会の多くが本会議主義をとっているという違いによる。

ただし、本会議場の質疑は3回まで。3回だと逃げられることが多い。この中でかつらぎ町議会の一般質問は一問一答方式となっている。60分という時間制限はあるが、当局は答弁を避け続けることは難しい。かつらぎ町議会の一般質問を通じ議員の提案が具体的に実ることが増えている。そのように変化したのは、現町長以下、町当局が議員の提案に真剣に向き合ってきたからに他ならない。この努力には敬意を表したい。

かつらぎ町議会の本会議場は、かなり昔から真剣勝負を重ねてきた。以前、一般質問は、議員が質問席に立って質問を始めても、どんな答弁が返ってくるのか分からなかった。それが最近、変わりつつある。一問一答方式なのに事前に質問原稿と答弁書の交換がなされるようになった。町当局は、集団検討の末、答えを用意するようになった。これは良い側面でもあるが、質問の前に回答する内容がすべて見えるということになってしまった。

こういう形になっていることをブログに書くのも自由だと思っている。住民の中には、最初からシナリオがあるんだという捉え方が生まれるし、賛否が分かれるだろう。集団で検討して、想定問答で互いに向き合う。これによって、議員の質問は、実現しなくなる傾向が高まるかも知れないが、職員と議員の真剣な準備の姿勢には違いが出るだろう。現在のやり方は再検討に値するのではないだろうか。

事前に返ってきた答弁原稿の中には、議員からすると不十分な意にそわないものがある。議員からすると満足できない回答が返ってきているのに、それを受け入れて原稿を読み、予定された回答を受け入れるとなると、なんだか滑稽なことになる。少なくともぼくはそう思う。当局から的外れのボールが返ってきても、議員は思い切りバットを振って三振するのか。「残念だが今回は三振します」というのはおかしい。

こういうことも起こるので、ぼくは、質問原稿の冒頭に但し書きを書いている。
「この一般質問原稿は予定原稿です。1時間という制約もあり、原稿どおり質問できたことは一度もありません。質問内容はときどき変化します。ご了承下さい。なお、質問が通告の範囲を超えることはありません。よろしくお願いします」

今回は、いい回答が返ってきた。さて、それを読み上げるだけでいいのかどうか。


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雑感

Posted by 東芝 弘明